第三海兵遠征軍

第三海兵遠征軍

第三海兵遠征軍

 

沖縄県うるま市にある米海兵隊基地キャンプ・コートニーに司令部を置き、アメリカ海兵隊の中将が指揮を執ります。

 

アメリカインド太平洋軍に前方駐留・展開兵力を提供することで、平時活動や安全保障協力活動を行い、有事や緊急事態への対応を支援し、戦域および国家の戦略を支援する既存の作戦計画を迅速に遂行でき、どんな危機にも迅速に対応できる柔軟性があります。

第三海兵遠征軍は、第1海兵航空団、第3海兵師団、第3海兵兵站群、第3海兵遠征旅団、第31海兵遠征部隊、第3海兵遠征軍情報群から構成されており、最大19000人近くの海兵隊員と海軍兵が沖縄県内にある計10か所の基地と航空基地に駐留しています。

第三海兵遠征軍はまた、3200人以上が日本本州にある岩国航空基地(山口県)とキャンプ富士訓練センター(静岡県)に常駐し、ハワイ海兵隊基地には約5000人の隊員が駐留しています。

第三海兵遠征軍の隊員は、同盟国である日本、韓国、フィリピン、タイ、オーストラリア、ネパールを含むインド太平洋地域で、2国間および多国間の合同訓練・演習に年間65回以上参加しています。

これらの演習によって、友好国の能力を構築し、強固な地域同盟と軍隊同士のつながりを形成・維持することが可能となり、大規模な戦闘作戦から人道支援・災害救援にいたるまで様々な作戦を行う態勢を整えることができます。

第三海兵遠征軍は、インド太平洋全域での人道支援および災害救援活動において重要な役割を担ってきました。

第1海兵航空団

第1海兵航空団

 

沖縄県北中城村にある米海兵隊基地キャンプ・フォスターに司令部を置き、アメリカ海兵隊の少将が指揮を執ります。

 

第三海兵遠征軍の航空部隊で、任務は航空支援、電子妨害手段を含む航空偵察、航空機とミサイルの管理などにより艦隊海兵部隊を支援する航空作戦を実施することです。

付随的な役割として、艦隊司令官の指示により海軍が他の機能を実行する際に、海軍航空兵力の不可欠な構成要素として関与することもあります。

第1海兵航空団は約7500名の隊員から成り、固定翼・戦闘攻撃群1個(岩国基地の第12海兵航空群)、回転翼支援群2個(普天間基地の第36海兵航空群、ハワイ海兵隊基地の第24海兵航空群)、航空指揮統制群1個(普天間基地の第18海兵航空管制群)で組織されています。

普天間基地に配置されている航空機は、CH-53Eスーパースタリオン、MV-22Bオスプレイ、AH-1Wスーパーコブラ、UH-1Yヴェノムなどのヘリコプターです。

岩国基地には、F/A-18ホーネット、F-35BライトニングII、KC-130J空中給油機などの固定翼機が配備されています。

ハワイ基地にも、CH-53Eスーパースタリオン、MV-22Bオスプレイ、AH-1Wスーパーコブラ、UH-1Yヴェノムなどのヘリコプターが配備されています。

第1海兵航空団は、部隊配置計画の支援を受け、F/A-18飛行隊2個、大型輸送ヘリコプター飛行隊1個、軽攻撃ヘリコプター飛行隊1個が、アメリカから日本へ半年毎に展開しています。

 

第3海兵遠征旅団(3MEB)

 

沖縄県うるま市にある米海兵隊基地キャンプ・コートニーに司令部を置き、アメリカ海兵隊の准将が指揮を執ります。

 

部隊の規模を拡大・縮小できる合同任務が可能な前方展開司令部隊です。

第三海兵遠征軍が運用上必要とする支援を提供するため、後続部隊が活動できるように、同盟関係の強化に向け戦域安全保障協力を支援します。

司令部隊、地上戦闘部隊(連隊本部)、航空部隊(海兵航空群本部)、兵站部隊(兵站連隊本部)により構成され、海兵空陸機動部隊の規模としては中型です。

各支援部隊の規模は任務内容に応じて決定されるため、柔軟性のある構成が可能で、任務内容に応じて7000から15000人の隊員が任務にあたります。

迅速に配備展開し、人道支援や災害救助および集中上陸強襲など広範囲に及ぶ活動が可能な即応部隊です。

有事の際には、海上事前集積船隊と連携して遠征軍規模への拡大を円滑にしたり、または統合部隊本部の指揮部隊を編成し他軍と合同で行う任務を支援したりします。

臨機応変な対応が可能なため、迅速かつ効率的に任務を遂行することができます。

インド太平洋地域で、主に軍事相互運用能力の訓練を行っていますが、民事プログラム活動にも尽力していて、医療支援や技術支援を提供することで、受け入れ国の様々な技術を磨き、関係強化に努めています。

第3海兵兵站群

第3海兵兵站群

 

沖縄県浦添市にある米海兵隊基地キャンプ・キンザーに司令部を置き、アメリカ海兵隊の准将が指揮を執ります。

 

 

第三海兵遠征軍の兵站(へいたん)部隊で、迅速かつ任務に適した質の高いロジスティック支援を提供します。

沖縄、ハワイ、日本本州に点在する部隊に所属する約6800人の隊員からなり、兵站、整備、土木工事、医療、歯科治療などを行う大隊で構成されています。

タイ、フィリピン、韓国、バングラディッシュ、カンボジア、オーストラリア、モンゴルなどインド太平洋域各地で定期的に行われる演習を支援しています。

これらの演習は地域で自然災害が発生した際に迅速に対応できる能力を強化するとともに、地域の平和と安定を向上させつつ同盟国や友好国との相互運用能力を向上させることに焦点をあてています。

また、人道支援および災害援助活動を支援するためにも配備され、医療・歯科治療支援、土木・管理技術、および活動や演習を支える主力となる兵站任務の提供に重点をおいています。

2011年3月11日に起こった東日本大震災では、重要な物資を被災者に届け、基本インフラを回復させるための後方支援システムの確立に貢献しました。

その年10月には、タイを大雨が襲い、77州のうち66州で洪水を引き起こし、820万人に被害をもたらしたタイ洪水では、第3海兵兵站群の司令部隊が、災害援助活動の監督にあたりました。

第3海兵兵站群は、あらゆるレベルにおいてプロフェッショナルな指揮官を持つ海軍・海兵隊チームで、生活の質と資源の管理の向上に専心し、アジア太平洋地域において質の高い後方支援を提供し、世界規模の資源調達の必要性に応えています。

第3海兵師団

第3海兵師団

 

沖縄県うるま市にある米海兵隊基地キャンプ・コートニーに司令部を置き、アメリカ海兵隊の少将が指揮を執ります。

 

第三海兵遠征軍の陸上戦闘部隊で、国家安全保障の目標を支援する上陸作戦を展開、実施します。

約7500名の隊員から成り、歩兵連隊、砲兵連隊、本部大隊、偵察大隊、戦闘強襲大隊で構成され、戦闘強襲大隊は水陸両用強襲車両中隊、軽装甲偵察中隊、戦闘工兵中隊から構成されています。

沖縄県北部にあるアメリカ国防総省唯一のジャングル戦闘訓練施設に、インストラクターとスタッフを提供しています。

インド太平洋地域における主要な陸上多目的部隊で、司令部や関連部隊は沖縄に配置されていますが、歩兵連隊1個および砲兵大隊1個はハワイに駐留しています。

歩兵大隊、砲兵隊、軽装甲車両中隊、水陸両用強襲車両中隊を6~7か月の訓練サイクルで、米国から日本へ交代で配備している部隊配置計画を実施しています。

第3海兵師団は、主に沖縄、日本本土、ハワイで訓練を行い、日本、タイ、フィリピン、韓国、オーストラリアを含む多くの同盟国と共に様々な戦域安全保障協力演習を支援し、頻繁に太平洋全域に展開しています。

第31海兵遠征部隊

第31海兵遠征部隊

 

沖縄県金武町にある米海兵隊基地キャンプ・ハンセンに司令部を置き、アメリカ海兵隊の大佐が指揮を執ります。

 

インド太平洋地域で唯一、常時前方展開している米国の即応機動部隊です。

第三海兵遠征軍の最も活動的な有事対応部隊で、約2200人の隊員から成り、司令部隊、大砲や水陸両用車両などを装備する歩兵大隊、ハリアー機分遣隊により増援された航空戦闘部隊、戦闘兵站大隊の4つの部隊で構成されています。

6か月から7か月の訓練サイクルで、歩兵大隊、砲兵中隊、軽装甲車両中隊、水陸両用強襲車両中隊を米国から日本に交代で配備している部隊配置計画の支援を受けています。

第31海兵遠征部隊は、強襲揚陸艦、ドック型揚陸艦、ドック型輸送揚陸艦の三隻で構成される揚陸即応群の艦船に定期的に乗船し、この海軍・海兵隊共同チームは、インド太平洋地域での有事の際には、まず最初に選ばれる初期対応組織です。

常に訓練に励み、上陸急襲や上陸強襲、略奪された船への接近・乗船・捜索・押収、墜落した航空機や人員の戦術的回収など海上特殊任務を含む急な任務にも早急に対応できる機能を備えています。

さらに、人道支援や災害救助に対応できるように常時訓練し、要請があれば一般市民の避難活動も行うことが可能です。

この部隊の機能には、中型・大型航空輸送、陸上輸送、医療・歯科衛生業務、物資配給、電力や水の生産、重機や建設作業などがあり、2009年に3回、2010年に1回、そして2011年にはトモダチ作戦にも参加しました。

この部隊はインド太平洋地域に展開している間、地域の同盟国と提携し、定期的に二国間演習や多国間演習を実施し、持続的な展開配置は、地域の平和と安全に貢献しています。

第3海兵遠征軍情報群

第3海兵遠征軍情報群

 

沖縄県金武町にある米海兵隊基地キャンプ・ハンセンに司令部を置き、アメリカ海兵隊の大佐が指揮を執ります。

 

第3海兵遠征軍情報群は、海兵空陸機動部隊「MAGTF(マグタフ)」の指揮官が友軍の機動をアシストし、情報環境下での敵の自由行動を否定する能力を確保するために、情報環境運用の機能を調整、統合、および採用します。

第3海兵遠征軍情報群は、海兵空陸機動部隊の運用をサポートするために、通信、インテリジェンス、支援兵器連絡、および法執行機能を提供します。