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沖縄県宜野湾市で起こった交通事故で、帰宅時に偶然その事故を目撃した米軍の衛生兵が、負傷していた地元住民に応急処置を施し、救急車がその負傷者を搬送していくところ。

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米軍衛生兵が交通事故で負傷した地元住民を救助

3 Jun 2022 | Ike Hirayasu U.S. Marine Corps Forces, Pacific

米軍の衛生兵が帰宅時に遭遇した交通事故現場で、負傷していた地元住民に応急処置を施しました。

アーロン・クロス一等兵曹(30)は6月1日午後4時過ぎ、日常勤務を終え、浦添市にある米海兵隊基地キャンプ・キンザーから金武町にある自宅へと向けて車を走らせていました。

彼が国道330号線を走らせていると、老夫婦の乗った車と地元女性の運転する車が衝突する交通事故を目の当たりにしました。

クロス一等兵曹は躊躇することなくすぐさま行動に移しました。彼は反射的に車を止めると、一台の車に向かって駆け寄りました。

車の中には顔中血だらけの女性が、何が起こったのか分からないような様子で呆然と座っていました。

彼は車の中の女性に「動かないで」と話しかけましたが、彼女はふらふらと車から出てきました。

クロス一等兵曹は立ち上がった女性を近くにある駐車場へと誘導し、彼女の様態を調べ、衛生兵でもある彼が常時携帯している医療用品の入ったバッグを取りに急いで自分の車に引き返しました。

クロス一等兵曹は、ひたいに大きなこぶと7~8センチの深い切り傷を負った女性にガーゼと包帯で止血を施し、もう一方の車に乗っていた老夫婦を確認に走りました。

クロス一等兵曹が年配の女性に向かって「どこいたい?」と日本語で問いかけると、その女性は「大丈夫、大丈夫」と答えました。

クロス一等兵曹は、出血も見られなかった老夫婦が車から出るのを手伝い、近くの駐車場まで誘導し、二人の体調と聴診器を使って鼓動の確認をしました。

十数分後に現場に到着した宜野湾市の救急車が、包帯を巻いた女性をストレッチャーに乗せ運んでいき、その数分後に到着した2台目の救急車が老夫婦を乗せて去っていきました。

頭を強打し、一日経過観察で入院した女性は翌日電話口で、「私は元看護士だったので、彼の処置はとても的確で素早く、本当に助かりました。彼は処置中、日本語で私に何度も何度も『大丈夫、大丈夫』と話しかけてくれました。本当に心強かったし、本当に感謝しています」と感謝の言葉を口にしていました。

クロス一等兵曹は中東の戦地へも衛生兵として派遣されたことのある沖縄が大好きな親日家で、2回の沖縄赴任で8年以上も沖縄で暮らす日本語も多少話す海軍兵です。

インタビュー中、彼は頭を強打した女性のその後を非常に気にかけており、彼女の様態を消防署に確認した後、大丈夫だったと伝えると、安どした様子で、「良かった」と話していました。

事故現場で緊急処置を施したクロス一等兵曹は、その翌日には事故現場から北に数十キロ離れた米軍基地キャンプ・シュワブでTCCC(戦術的第一線救護)という軍事医療に関するクラスを衛生兵に講義していました。