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海兵隊キャンプ・ハンセン、第3海兵情報群に勤務するマリオ・サンチェスJr一等軍曹は32マイルを走るチャリティーマラソンを行い寄付を募り、無事完走しました。

Photo by Aya Ichihashi

32歳、32マイル

28 Aug 2024 | Aya Ichihashi Marine Corps Installations Pacific

32歳、32マイル

海兵隊キャンプ・ハンセン、第3海兵情報群に勤務するマリオ・サンチェスJr一等軍曹は32歳の誕生日を迎えるにあたり、ある事を思いつきました。

自分の年と同じ32マイル(約51.2キロ)を走る目標を掲げ、友人や同僚らに自分への誕生日プレゼントを買う代わりにどうか$32を応援も兼ねて寄付してくれないか?と呼びかけたらどうだろう、と。

「自分の娘たちに地域貢献の大切さを教えたかった」と彼は今回の誕生日マラソンを振り返りました。ただ誕生日をいつもの様に祝うのではなく、助けが必要な人たちに手を差し伸べることでもっと意味を持つ日になると彼は考えました。

子供達に共感やコミュニティーの大切さ、そしてたとえそれがどんな小さな親切でも、社会には良い影響を与えるということを教えたかった、と彼は語りました。

8月14日朝6時半にサンチェス一等軍曹はキャンプ・コートニーがあるうるま市を出発。沖縄市、北谷町と走り抜け、またキャンプ・コートニーに戻るというルートを途中休憩を取りつつ6時間で完走しました。

サンチェス一等軍曹は自分たち海兵隊は「ゲスト」だからホスト(招待側)に今まで親切にされた事に感謝を示すことはとても大切だと考え、賛同に応じた家族や友人から集まった約$1000(日本円で約14万8000円)の寄付金で自立式のバスケットゴールを2基、バスケットボール10個を購入。また自然が豊かで美しく、素晴らしい文化がある沖縄で勤務できるのはとても幸運なことであり、その地元の人々に敬い、繋がりを感じることはさらに沖縄での生活を特別なものと感じられるそう。

8月28日の午後、バスケットゴール1基とバスケットボール5個を贈られた浦添市の母子生活支援施設の職員与那覇結平さんは「ちょうど数か月前に施設にあった老朽化したバスケットゴールを安全のため撤去したばかりで助かりました」と述べました。

施設の子供たちに大人気のバスケットボールがしばらくできず、今回の寄贈の事を聞き彼らはとても楽しみにしていたとのこと。もともと同施設はキャンプ・コートニーと交流があり、去年のハロウィーンはコートニー渉外官・梅原一郎氏の協力のもと、施設の子供たちは基地内でトリック・オア・トリートに参加してお菓子をたくさん貰ったそう。

残暑が厳しい施設の遊び場で額に汗を流しながらサンチェス一等軍曹とバスケットゴールを組み立て作業するキャンプ・コートニー渉外官の梅原一郎氏とキャンプ・ハンセン渉外官の嘉陽貴之氏は「地域コミュニティのために寄付金を募るために走ると公言し、きちんとそれを有言実行したサンチェス一等軍曹は本当に素晴らしい」と語りました。

着てきた洋服が汗で色が変わる頃、子供たちが待ちかねていたバスケットゴールが完成しにぎやかな笑い声が遊び場に響きました。

もう一基のバスケットゴールとバスケットボール5個は名護市にある児童養護施設に前日の8月27日に寄贈されました。


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