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2月4日、千葉科学大学の学生が海兵隊キャンプ・フォスターのEOD(爆発物処理隊)を訪れました。

Photo by Aya Ichihashi

千葉科学大学EODビジット

10 Feb 2025 | Marine Corps Installations Pacific

濃いピンクの緋寒桜があちらこちらで目にうつる2月4日、千葉科学大学危機管理学科の学生が海兵隊キャンプ、フォスターのEOD(爆発物処理隊)を訪れました。彼らは野村佳正博士のゼミ生で、危機管理を学んでいて将来的に自衛官や海上保安官、そして消防士を目指している学生たちです。

最初にEODのオフィスを訪れ、彼らの日々の任務や役割をホセ・ゴンザレス二等軍曹(ポートチェスター、ニューヨーク州出身)に説明してもらいました。隊員らは365日オンコールで働いており、危険物が発見されると直ちに対処します。彼らの仕事は多岐にわたり、例えば会合等でVIPが訪れる建物を徹底的に調べ安全を確保します。また、DPRI(米軍再編成)関連の建設工事がたくさん行われており、その際に出土する不発弾処理も行っています。学生たちは自分たちが学んでいる専門分野のことなので、真剣な表情です。質疑応答の時はたくさんの質問が飛び交い、ゴンザレス二等軍曹が1つ1つの質問に丁寧に答えました。

簡単にEODの役割やミッションの説明を受けた後、場所を彼らの実際に活動する倉庫に移し、作戦に使用されているロボットや、解除されて安全な状態の榴弾や手榴弾の見学を行いました。たくさんの種類にみんな興味深い顔です。中身が空とはいえ、155mm榴弾は持ち上げれないほど重く、これを軽々と持ち上げるゴンザレス二等軍曹に一同びっくりしました。現在11名がMCIPAC(海兵隊太平洋基地)のEODのチームとして任務についています。必ず一人衛生兵がついて万が一の時に救護が行えるようになっています。ジョシュア・アップライト3等軍曹が学生たちに2台のロボットの説明を行いました。大きいロボットはRONS(遠隔爆発物無力化システム)と呼ばれ、1980年代に開発されたものでたくさんのカメラが設置され、危険なエリアや建物内の偵察が行え、また強靭なパワーで屈強な負傷した海兵隊を引きずりながらでも運べるそう。

もう1台はMTRS IIと呼ばれ、RONSよりかなり小さく狭い空間にも入ることができ、操縦コントローラーもゲーム機ほどに小型化し、カメラの解明度が良く、暗視機能付きだそう。コントローラーにはタッチパネル式もあるそうですが、汗をかくとタッチパネルの反応が鈍くなる事、そして寒冷地で手袋を着用しているとスクリーンが反応しなかったりと実用的ではないため、彼らはコントロール式の方を好んでいる、と説明しました。

アップライト3等軍曹は「MTRS IIは約25万ドル(約3800万円)ほどするけど、我々の仲間を危険な目に合わせるぐらいならこれを100台でも1000台でも購入する」と真剣な顔で語りました。また、自分たちの手で爆弾を処理するのは本当に最後の最後の手段だ、と。

野村博士が今回将来危機対応のフィールドを目指している学生たちを基地に連れてきた理由は自分の目で本物を見て学び、そして判断ができるようになってほしいからだと語りました。まず自分の目で見ないことには物事の本質がわからず、与えられた情報だけで憶測するのはよくないと。

将来自衛官になりたい原口蒼真さん(3年)が第一線で任務に就く隊員たちから職務内容やこぼれ話を聞いてとても興味深く、また実際の現場で使用される機材などを見ることができEODの仕事は危険な仕事ではあるけどそこにやりがいが見いだせると感じたと語りました。

ゴンザレス二等軍曹が学生たちにEOD隊として大事なことは常に基本に忠実であること。学んだとおりに研鑽をつみ、そして自分の健康管理をきちんと行い、雑念を仕事に持ち込まない事だと教えました。

「私たちは家族が待つ家に帰りたいのです」


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