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まだまだ残暑が厳しい9月28日、学習院高等科の二年生の生徒20名が海兵隊キャンプ・ハンセンを訪問しました。

Photo by AYA ICHIHASHI

学習院高等科の海兵隊キャンプ・ハンセン訪問

5 Oct 2023 | Aya Ichihashi Marine Corps Installations Pacific

まだまだ残暑が厳しい9月28日、学習院高等科の二年生の生徒20名が海兵隊キャンプ・ハンセンを訪問しました。

コロナ禍以降、約四年ぶりとなる高校生による基地訪問に基地渉外官の嘉陽貴幸氏が笑顔で生徒たちが乗ったバスを迎えました。

一同はまず、基地の副司令官、ジョセフ・スカラ氏からキャンプ・ハンセンの説明を受けました。スカラ氏からハンセンの組織図、基地としての役目、基地施設の説明、そして近隣の市町村とのつながりや米軍再編計画の今年度の取り組みを聞きました。スカラ氏は退役軍人で、元々は海軍でパイロットをしていたそうです。スカラ氏は「私は日本が大好きで、横須賀の基地内の高校に通ったし、日本には23年ほど住んでいるんだよ」と笑顔で生徒たちに語りました。

スカラ氏とお別れをし、一同は訓練シュミレーション施設を訪れました。施設には多岐に渡るシミレーション訓練が可能で、まず生徒たちはターゲットシュミレーション用のロボットの説明を受け、ロボットがどのように動くのかを見学しました。そしてインストラクターのホアン・グリーン氏と海兵隊の隊員4名が実際に装甲車から脱出を行う訓練を見学しました。緊迫した空気の中、装甲車がグリーン氏の合図で2回転して、ひっくり返った状況から隊員が一人ずつ脱出し、敵襲の警戒に当たりつつ全員が脱出するさまを真剣に見つめました。

訓練システムプログラム司令部渉外官、クリストファー・バナス氏に案内され、生徒たちはコンボイの護衛シュミレーター室で装甲車が360度スクリーンで映し出された中で走行訓練を見学しました。その後、日頃はセキュリティー上、なかなか見る事が出来ない火器支援要請シュミレーション訓練の部屋でデモンストレーションを見せてもらいました。

バナス氏にお礼を言って、キャンプ・ハンセンに駐屯する海兵隊員を交えて昼食をとるために兵隊専用の食堂(メス・ホール)へ向かいました。特別な日(海兵隊の創立記念日のスペシャルランチ)以外は隊員以外の者は食事が出来ないメス・ホールは若い隊員らで賑わっています。今日のメニューはフライドポテト・ハンバーガー・クリスピーチキンがファストライン、ローストターキー、ポテト、白身魚のグリル焼きがメインライン、セカンドラインは中華風焼きそば、チャーハン、中華風に味をつけ焼かれたチキン・ポーク・ビーフでした。生徒たちは食べたいものを食堂の従業員に頼んでトレーに載せていきました。トレーを持って並んでいる列には来年2月に第31海兵遠征部隊(MEU)と合同訓練を行う陸上自衛隊の隊員の方たちの姿も。

生徒たちは海兵隊の隊員を交えて5人のグループに分かれ食事を楽しみました。会話の内容は出身地とか、家族の事、趣味とかを話して盛り上がっているとあっという間に食堂が閉まる時間となってしまいました。交流をもった隊員達と一緒に写真をとったり、今後もコンタクトが取れる様にアプリのQRコードを交換したり別れを惜しみました。

一同を乗せたバスは嘉陽氏の案内で基地を一周しました。嘉陽氏がテンポよく基地の施設を説明をし、生徒たちは質問を投げかけたり、逆に嘉陽氏が質問をしたり、車内は終始賑やかでした。最後に、関税の関係で買い物できませんが、基地のBXと呼ばれる隊員の生活必需品が売られるショッピングセンターに立ち寄りました。

生徒達を引率した會田康範教諭は生徒達にいろいろな物を実際自分の目で見て、押し付けられた価値観ではなく、自分で考えるきっかけになってほしいと海兵隊の基地見学を修学旅行のコースの1つに決めたそうです。

今回基地を訪問した生徒たちは口々に、興味深かった、道が広くてまるでアメリカに居るみたいだった、ご飯が美味しかったと語りました。ある生徒は高校卒業後はアメリカの大学に進学する事を考えていて、将来の夢について瞳を輝かせて語ってくれました。

生徒たちが乗るバスでお別れの前に嘉陽氏が生徒たちに真摯に語りかけました。

「なぜ、戦争が起こったのか。なぜ、沖縄に基地があるのか。なぜ、海兵隊は沖縄にいるのか。なぜ、という気持ちを持ってほしいし、今回の基地訪問がそのなぜ?と思う気持ちを起こすきっかけになったら嬉しいです」

 

 


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