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海兵隊キャンプ・ハンセンで30名の海兵隊員が3週間にわたる海兵隊マーシャルアーツインストラクタープログラムを終了し、インストラクターとして誕生しました。

Photo by Cpl. Thomas Sheng

30人の新たな海兵隊マーシャルアーツインストラクターが誕生

10 Jan 2024 | Cpl. Thomas Sheng Marine Corps Installations Pacific

12月14日の未だ暗い早朝、海兵隊キャンプハンセンでアーリア・アクアロ伍長をはじめ29名の第3海兵遠征軍と海兵隊太平洋基地に所属する海兵隊員たちが装備を身に着け、これから6時間行われるマーシャルアーツ・インストラクター・コース(MAI)の準備をしていた。

太陽が上がる前に集まった隊員達はアスファルトに声を響きわたらせながら朝の号令を行っていたが、インストラクターの芝生の方へ移る指示にかき消された。400メートルほど離れたところで余分な装備を脱いで整列し、本日最初の訓練に取り掛かった。

少しの緊張と平常心、アクアロ伍長はバーピーと呼ばれる腕立て伏せの姿勢となり、そのまま身を起こし、ジャンプをする動きを何度も行う。整列していた隊員達が次々にバーピー、腕立て伏せ、ほふく前進、そしてパートナーを担いで運ぶ等の基礎運動を始めた。

第3班が基礎運動を行っている間、インストラクターが第1班と第2班を呼び、第2班に第1班から隠れるように丘の上で待機を指示しました。両班とも木の茂み等に隠れ、そして手や頭、そして体に防護プロテクターを装着した。

チームメンバーの助けもあり、アクアロ伍長は対戦のための装備品を速やかに身に着け、インストラクターからの指示を受け、第2班の隊員達が待ち受ける丘をあがり始めた。彼女は訓練用の模造ナイフを装備し、彼女が対戦する相手が視界に入ってくるのを待った。

「始め!」

アクアロ伍長が対戦者を見据え、両者一斉に腕をスウィングさせ、ジャブを繰り広げた。

顔面がワイヤーで保護されているヘルメットに隠れてよく見えないが、お互いのパンチはきれいに決まったように見える。

「やめ!」

対戦が終わり、両者は自分の班に戻り次の者たちが対戦を始めた。

基礎運動の後はスパーリング対戦、そしてまた基礎運動、そして丘を登るという組み合わせが6時間繰り広げられた。

「気が遠のく瞬間が何度かありましたし、実際気絶してたと思う」とアクアロ伍長。

「海兵隊に入隊して一番過酷な訓練だったことは確かです」

このクラスは3班に分けられ、1班はリーヴァイ・ウルフ3等軍曹、2班はエンジェル・クルーズオチョア三等軍曹、3班はアブドカリム・サイ三等軍曹が指導した。

訓練の移動中は丸太を3,4人で担ぎ、チームワークを深める。

このMAIコースは3週間に渡り行われ、フィジカルそしてインストラクター訓練生としての座学も行われる。この過酷なフィジカル訓練は闘いのために編み出された海兵隊マーシャルアーツプログラムの神髄を発揮させ、インストラクターとしてのポテンシャルを最大限に引き出させるように作られている。そしてこのコースを卒業した訓練生がインストラクターとして安全に他の海兵隊員を指導できるように、そして上に進級したい隊員たちの指導が行えるようになっている。

「マーシャルアーツ・インストラクターになるには、自分の中で絶対できないと思っていた事を克服する何かが必要になってくる」とウルフ三等軍曹(28-24クラスのリードインストラクター)。

「この(インストラクター養成)コースはみんなが出来るわけではない。海兵隊員の中でもフィィジカル的に非常にタフで、なおかつ鋼の精神力が必要となってくる」

ウルフ三等軍曹いわく、他のコースとこのインストラクター養成コースの違いは、テクニックと基礎知識量と、そしてなにより戦闘調整をするスキルレベルだと言う。

「精神的にきちんと準備が出来てないと、チーム全体の失敗となる。チームの誰かが自分のせいで同じように傷つく」とアクアロ伍長。

「チームの仲間と仲良くするのが一番のチャレンジだったかもしれない。みんなそれぞれ違うから」

養成コースの間、隊員達は班単位で反復基礎運動を終わらせるように課される。戦闘調整も隊員達の中でリーダーシップを育て、仲間意識を芽生えさせる。

これらは各々のコミュニケーション能力を高め、チーム一丸となって次々に課せられる訓練を熟していけるようにするためのもの。コース卒業後はマーシャルアーツ・プログラムを学びたい海兵隊員を指導できる。

「私は上等兵時代からこのコースを受けたかった。しかし、マーシャルアーツ・プログラム自体は嫌いだった。最初は自分の昇級に有利になるために始めた気持ちもあった」とアクアロ伍長。

「でもそれがある日、私は自分にチャレンジしたくなった。自分の中のリーダーシップスキルを試したい、そしてコースを通じて日頃接点のない隊員達と知り合えた」

ウルフ三等軍曹も上等兵の時、マーシャルアーツ・プログラムの進級試験を受けようと思ったそう。グレーベルトに進級したあたりから彼はマーシャルアーツ・プログラムに夢中になった。

その後、功績を上げて上等兵から伍長に昇進し、彼のキャリアは少し違った形のリーダーシップをとるようになった。伍長に昇進した同じ月にマーシャルアーツ・プログラム・インストラクターのコースを卒業し、基礎コースのインストラクターとなった。

実績が評価され、現在の三等軍曹へ昇進したウルフ三等軍曹。今度はインストラクターを養成するインストラクター・トレーナーになるべく、トレーナー養成プログラムを終了し、現在に至る。

28-24の隊員たちがコースの訓練をすべて終わらせ、装備をすべて外した。

インストラクターたちが整列し、一人一人部屋に入るように言い渡した。

隊員達は一人一人新しい色のベルトを授与され、今日から海兵隊マーシャルアーツ・インストラクターとなった。

今回誕生したマーシャルアーツ・インストラクター:

第一海兵航空団

ダニエル・ゴンザレス三等軍曹、ジョーダン・カミーロ伍長、アドニ・ジミンゼン伍長

ベンジャミン・トロ伍長、マリオ・アギレア伍長、エドガー・ディヴィラ伍長、ジェファーソン・シダブター伍長、ジェームズ・ハンクス伍長、ニールソン・パーソンズ伍長

海兵隊太平洋基地

タイラー・ウォーランス三等軍曹、アレックス・ストーク三等軍曹、アレックス・フェアチャイルド伍長、ジョナサン・ビーチャム伍長、アーリア・アクアロ伍長、ドウェイン・ジョンソン2世伍長

第三海兵遠征軍

エスドラス・アルバレンガ-オルドネズ三等軍曹、ルーベンズ・ギラーム三等軍曹、ラムジー・ランソウJr.三等軍曹、オースティン・チュン伍長、デイビッド・ガルシア伍長、ヴァレンティン・テレーズ3世伍長

第31海兵遠征部隊

ジョンソン・グッドマン伍長、ルイス・エリザJr.伍長、マーク・ルーズ伍長

第3海兵師団

ジョージ・オカイン伍長、ハンター・ハリス伍長、オシエル・カラスコ-ロドリゲズ伍長

第3海兵兵站群

ジョセフ・ロバーツ伍長

第1海兵師団

アクセル・カルボ伍長


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