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今年の第三海兵遠征軍音楽隊のスプリングコンサートはゲストに世界的に有名なブラスクインテット、ボストンブラスを迎え友情出演で陸上自衛隊第15音楽隊と南西航空音楽隊が参加する豪華なイベントとなりました。

Photo by AYA ICHIHASHI

第三海兵遠征軍音楽隊スプリングコンサート

29 May 2023 | Aya Ichihashi U.S. Marine Corps Forces, Pacific

外は梅雨の合間の青空ですっきり晴れ、まだ五月下旬なのに夏を思わせる強い太陽の日差しを感じる浦添市のてだこホール。その楽屋で寛ぐのはすでに全体リハーサルを終え、本番を待つ陸上自衛隊第15音楽隊のクラリネット奏者江崎健太三等陸曹です。陸曹自身は第三海兵遠征軍音楽隊と一緒にコンサートを行うのは初めての経験で「とても楽しみだ」と期待をにじませました。第三とのリハーサルも文化の違いなのか、明るい雰囲気でテンションもモチベーションも上がる感じだったとも。「今後もたくさんのイベントを海兵隊と一緒に行い、米軍と自衛隊の絆がさらに深まれば嬉しいと」と希望を述べました。

今回のスプリングコンサートは第三海兵遠征軍音楽隊が主催し、ゲストに世界的に有名なブラスクインテット、ボストンブラスを迎え友情出演で陸上自衛隊第15音楽隊南西航空音楽隊が参加する豪華なイベントとなりました。

コンサートホールで部下たちと和やかに談笑している第三海兵遠征軍音楽隊隊長デマリアス・ジャクソン上級准尉は才能のある素晴らしい演奏者たちと共演できて本当に光栄に思うと語りました。

「我々は毎年演奏会を開催していて今回は偶然にもボストンブラスが来日公演をしている時期と重なり、『大統領直属』海兵隊音楽隊の隊長ジェイソン・フェティッグ大佐がボストンブラスと自分たちを繋いでくれた」と今回の経緯を説明をしてくれました。そして同音楽隊が地域の小中学校の生徒に吹奏楽を教える機会が増えてきてとても嬉しいとも。「良い音をたくさん聞き、その音の中で練習することはそれだけで、レベルがワンステップ上がる」と教えてくれました。

南西航空音楽隊トランペット奏者、祝原梢空士長とサクソフォーン奏者の遠藤麻由子空士長たちの文化の違いなのか、やはりリハーサルのやり方の違いに驚きを示していました。また、祝原空士長は次の日にあるボストンブラスが行う金管5重奏のマスタークラスにも参加する。二人とも「今後も海兵隊とのコンサートを続けていきたい。新しい世界を見ている感じでとても楽しい」と語ってくれました。

ボストンブラスのトランペット奏者ジェフ・コナー氏は今回は私たちの6回目の日本公演で3日間ちょうど空きがあって去年12月、「大統領直属」海兵隊音楽隊のフェティッグ大佐に日本に駐屯する米軍の音楽隊で、自分たちと一緒にコラボしたいところはあるか?と相談したところ今回のコンサートを行えることになりました。コナー氏は今朝行った全体リハーサルを振り返り言いました。「彼らは素晴らしい音楽隊だ、彼らと共にステージの上に立つことが出来て光栄に思う」

開場を待ちきれない聴衆たちが一時間も前から今か今かとドアオープンを待っていて、期待の高さが伺えました。開演30分前には半分以上の席が埋まり、15分前には隊員数名がステージでウェルカムセッションをサプライズで始め、開演を待っている観客たちを喜ばせました。

時計が開演の7時を指し、聴衆の期待が最高潮となりました。ジャクソン上級准尉が舞台に上がると大きな拍手が起こりました。両国の国歌が演奏されいよいよ演奏会がスタートしました。「海を越える握手」「シェナンドー」が演奏され、大興奮の観客から大きな拍手がステージに送られました。ジョシュア・ウォルディー三等軍曹がステージに上がり「ウェストサイド物語」が始まりました。彼ららしいカラーが出た演奏に聴衆からは割れんばかりの拍手が送られ、ボストンブラスが舞台にあがりました。日本でもポピュラーな「剣の舞」の演奏はこれぞボストンブラス、という音にファンたちは大興奮。学生時代に吹奏楽を経験した人は「このように演奏が出来たら、どれだけ素晴らしいか」と思わずにいられない音色で聴衆を唸らせました。

「スコットランドの釣鐘草」ではトロンボーンのドミンゴ・バグリウカ氏の超絶技巧に第三音楽隊の兵士たちも舌を巻き、演奏にくぎ付けになっていました。エミリー・タランパスーフィゲロア伍長が日本語と英語で歌った「翼をください」は本当に美しく、聴衆たちの心を一つにしました。スティーヴィー・ワンダーの「Don’t You Worry ‘Bout a Thing」はサクソフォンの冒頭のソロをジャクソン上級准尉とエリック・ライト三等軍曹が交互に演奏すると会場から手拍子と歓声が沸き、会場の熱量が一気にあがりました。

「グリーンホーネット」は聞いてる方が圧倒されるホセ・シバハ氏のトランペット技巧と熱量、そして多彩な表現力、それを引き立てる四人の演奏に聴衆は惜しみない拍手を送りました。メロディックな「Sway」はクリス・カステラノス氏の繊細で力強い多彩なフレンチホルンを主役に奏でられ聴衆はうっとりと聞きほれました。チューバの印象的なソロで始まる「Blues for Ben」はウィリアム・ラッセル氏と同じルイジアナ州出身の作曲家スタントン・ムーアの曲でテンポがどんどん上がり、会場が手拍子でさらに演奏を盛り上げました。

最後の曲「キャラバン」が始まると会場は、もうコンサートが終わるのか名残惜しい気持ちで目の前で行われている素晴らしい演奏を一音も逃さないように真剣に聞き入っていました。クインテット(五重奏)で五名しかステージにはいないはずなのに、それ以上の厚みと多彩な音で聴衆を虜にする素晴らしいエンターテイナーであるボストンブラスに会場は惜しみない拍手と歓声を送りました。 

最後はジャクソン上級准尉がJ・Pスーザ作曲「Semper Fidelis(忠誠)」でコンサートを締めくくりました。

コンサート後、演奏を終えた第三海兵遠征軍音楽隊とボストンブラスの演奏者たちがロビーで聴衆たちと写真を撮ったり、握手を交わしていました。県内の吹奏楽部の生徒達も来ており、演奏者たちと写真を一緒に撮影したりしてコンサートの余韻を楽しみました。学生の中には先日、第三と第15と一緒にクリニックを行った真志喜中学校吹奏楽部の生徒もいました。

コンサートの調整を担った政務外交部(G7)の渉外官・伊敷正明氏が今回の公演について語りました。「ボストンブラスの沖縄初公演をたくさんの皆様に聞いてもらえて本当に良かった。ボストンブラスのメンバーからもまた来たいと言っていただけたので、来年以降の二回目の公演がとても楽しみです」


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